子どもが減って何が悪いか! (ちくま新書)★★

小谷野さんが出版をすすめたとあとがきにあったので読んでみた本。
男女共同参画は、少子化対策として有効であるかどうかにかかわらず、その本来の意味のみで必要性・有用性の有無を判断せよという著者の主張には賛成。微妙に違和感があったのは、著者の男女共同参画についての考え方と子を持つということに対し政府や地方自治体などがインセンティブを与えるのはおかしいというくだり。
前者については、自分が他者と違う感覚を持っているからそう感じるのかもしれないけど。仕事も、家庭も、と何でもこなそうとすることが男女共同参画なのかしらね。それは両立を願う一部の人のことであり、そういう中での男女共同参画というのもありだと思うけど、そればかりでもないと思うのですが。
昔何かで男女共同参画社会基本法を読んだ際に、
家族を構成する男女は、家庭生活における活動については家族の一員として円滑にこなすとともに、その他の活動を行うことができるようにすること
とされているのを見て、夫婦以外ではない家族を構成する人々(具体的には成人した子)であっても、家族の一員として介護などの家庭生活における活動をするのね、その上で仕事とか、趣味とかする、そういうことをモットーとして男女共同参画社会の形成を行っていくと思ったものでした。
当時、法律を読んでて不思議に思ったのは、その定義。「男女共同参画社会」では定義されないで、「男女共同参画社会の形成」で定義しているのですね。そして、ほとんどの条文が、「男女共同参画社会の形成は、○○○を旨として行わなければならない。」という形になっているのでした。ちょっと見かけないスタイルだなと感じたことをいまさらのように思い出しました。

で、もともとの感想に戻ると、家族の一員としての仕事については、それぞれの家族間で適切に決められるのでしょうから、男女共同参画としていわゆる両立支援のみを取り上げるのはどうかなと感じるのでした。

以下は男女共同参画社会基本法

第六条  男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。