論文捏造 (中公新書ラクレ)★★★★

 面白くて一気読み。「なぜ論文を捏造したか」ではなく、「なぜ論文の捏造が見抜けないのか」もしくは「なぜ論文の捏造が起きてしまうのか」が書かれているのがミソ。丁寧な取材に基づいたドキュメンタリーをノベライゼーションしたものなので読みやすさも一流。
 どうでもよいこと。捏造を行った科学者の同僚の話を聞くのだが、その方の現在の肩書きが「東北大学金属研究所」助手となっていて、昔アルバイトをしていた頃の金研を思い出した。外国から来た偉い研究者がコピー機の前でコピーが上手にできずにたたずんでいて、代わりにコピーをとってあげたりしたなぁ。など。