女を幸せにしない「男女共同参画社会」 (新書y)

 途中まで読んでいるが、エッセイなのかと思うまでに自分の感情を示す部分と論理的な部分とがごっちゃになっており、素人っぽい。略歴を見ると数冊の本を書いているようだし、新聞での論壇などの欄も担当しているようだが。
 「男女共同参画社会」という掛け声のもと、政府等が改革を進めた結果、すべて24時間働ける人からなる一億総ハタラキバチの社会になってしまっているという認識は、-「男女共同参画社会」という掛け声のせいであるかの判断は留保して-著者と同感である。しかしながら、その認識から、あるべき「男女共同参画社会」を描くとともに、そのような社会をどのように生み出していくかについての道筋を示すくらいはしてもよさそうなのに、著者が60ページ付近までの紙幅をさいて書いていることは、男女共同参画に係る基本法、条例は、著者と同様な「普通の」女性の手によって書かれるべきであったということや、これらの起草にかかわった人はスーパーエリート、シングル志向の人であり普通の人の感覚とは異なっているという、ある種恨み言のようなことが書かれている。
誰が書くべきかの問題も重要だろうが、何が書かれるべきであったのかということが、これから読む部分に書いてあるといいのだけども。