時代劇ここにあり/池内紀

川本三郎の著書に対する書評。最近気がついたのだが、書評委員である人が本を出すと、書評されることって多いような気がする。たとえば、三浦雅士や、丸谷才一の近作もそれぞれ、書評欄に掲載されていた気がする。とはいえ、毎日だけではなく、他の新聞でも取り上げられていたかも?
それとも、書評委員であるような方は、著書を出版することが多いため、取り上げられるのが多いのか。

比較の亡霊/ISBN:4861820375/三浦雅士

 ◇植民地が生んだ国家という想像物
 気になる言い回しが多いが、今週の毎日の書評の中では一番読みたさをそそる。
 特に、新聞だと2段目にくる下記の部分が良い。
ナショナリズムは植民地政策によってしか成立しない。近代に限らない。ギリシャペルシャに、ローマはギリシャに、そしてヨーロッパはローマによって国民意識を形成したのだ。」
朝日にかつて掲載されていた「イスラーム世界の創造 (東洋叢書)」に対する書評(誰が書いたか忘れたけど)を思い出した。

 逆に気になったのは、次の箇所。
 「名著である。」
 「目からウロコが落ちた気分になる。」
 「日本人必読と言いたい。」